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怪物はささやく(ネタバレ)

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怪物はささやく

怪物はささやく

原題:A Monster Calls
2016/アメリカ、スペイン 上映時間109分
監督:J・A・バヨナ
製作:ベレン・アティエンサ
製作総指揮:パトリック・ネス、ビル・ポーラッド、ジェフ・スコール、ミッチ・ホーウィッツ、ジョナサン・キング、パトリック・ワックスバーガー、エンリケ・ロペス・ラビニュ、ジスラン・バロワ、アルバロ・アウグスティン
原作・脚本:パトリック・ネス
撮影:オスカル・ファウラ
美術:エウヘニオ・カバレロ
編集:ベルナ・ビラプラーナ、ジャウマ・マルティ
音楽:フェルナンド・ベラスケス
出演:ルイス・マクドゥーガル、フェリシティ・ジョーンズ、シガニー・ウィーバー、トビー・ケベル、リーアム・ニーソン
パンフレット:★★★★(720円/コラム4本と意外と情報量多めだし、ストーリーの見せ方が好き)
(あらすじ)
裏窓から教会の墓地が見える家で難病の母と暮らしている少年コナー(ルイス・マクドゥーガル)。ある晩、彼の前に怪物(リーアム・ニーソン)が現われ、これから3つの「真実の物語」を語ること、そして4つ目の物語をコナー自身が語るよう告げる。しかもその内容は、コナーが隠している「真実」でなければならないという。嫌がるコナーをよそに、怪物は夜ごと現われては物語を語りはじめる。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




80点


※本作に関しては、映画評論家の町山智浩さんの解説(216円)が本当にわかりやすいので、ぜひ聴いて!

4月から「ミニシアター共通スタンプラリー」というキャンペーンがおこなわれていまして。こんなの楽勝だと思っていたら仕事が忙しくて、5月頭に「イップマン 継承」を観てから、ずっと関連劇場に行けなくて。しかも、「ユーロスペースで『武曲 MUKOKU』を観た→同劇場はスタンプラリーに参加してなかった」とか「シネマカリテで『ジェーン・ドウの解剖』を観た→ネットで購入したからダメだった」とか、2度も失敗していて、いつの間にかキャンペーン終了1日前の6月29日になっていたのです。

とは言え、横浜のシネマ・ジャック&ベティ「作家、本当のJ.T.リロイ」シネマート新宿「リベンジ・リスト」を観て、スタンプ5つ中3つ埋まっていたということで! 6月30日は家族サービスデーだったため、「29日中に何とかスタンプラリーを完遂せねば!(`Δ´;)」と思った僕は、「絶対観る」とまでは思っていなかったものの、気になっていた本作と「マダム・ベー ある脱北ブローカーの告白」を鑑賞することにしましてね。先にイメージフォーラムで「マダム・ベー」のチケットを購入してから、渋谷シネパレスに移動して、やっとスタンプラリーを完遂したのに、結局はムダにしてしまった…というのは別のお話。何はともあれ、ウロ覚えながらにこの作品の感想を書くと、とても良い映画でした… (ノω・、) グスン


渋谷シネパレス、木曜日はメンズデー=1000円で観られるのです ( ̄ー ̄) ニヤッ
渋谷シネパレス

まだ「マダム・ベー」は観てないものの、スタンプラリーを完遂! 上機嫌になったので…。
スタンプラリー完遂

奮発してチリドッグとコーラを買ってしまったんですけれども。
チリドッグとコーラ

なんとチリドッグをワイシャツに落としてしまうという失態! 死にたい… ('A`)
ワイシャツにチリソースが...


「そんな話だったっけ…? (・ω・;) ウーン」と疑問視されるほど乱暴にあらすじを書いておくと、母親(フェリシティ・ジョーンズ)が重病で即死亡しそうなので、夜ごと母を救えない悪夢を見てしまうコナー少年(ルイス・マクドゥーガル)のもとに、12時7分になるとトレントっぽい“イチイの木の怪物”(リーアム・ニーソン)が現れるようになりまして。別の家庭を築いた父親(トビー・ケベル)が役立たずだったり、祖母がシガニー・ウィーバーだったりする中、怪物ったら「オレが<3つの物語>を語ったら、最後はお前が<真実>を語るのだッ!m9`Д´) ビシッ」なんて要求をしてくるのです。


コナーは母親が大好きなんですけど、母親は重病でして。
コナーと母親

崖から落ちる母を救えない夢を見たりしてね (´・ω・`) カワイソウ
母親を救えない悪夢

学校ではいじめられちゃうし…。
いじめられるコナー

祖母はシガニー・ウィーバーだったりと、踏んだり蹴ったりなエブリデイ(どことなく失礼な文章)。
祖母はシガニー・ウィーバー

そんな彼のもとに、怪物が現れるようになる…という不思議な話。
怪物登場


で、怪物が語る物語は「王妃が悪い魔女かと思ったらそんなことなくて、彼女を罠にはめて殺した王子はクソ野郎だけど、立派な王様になりますた (・∀・) ニヤニヤ」とか「非科学的な薬を作る調合師を否定していた牧師が、自分の娘が病気になったので、調合師にすがってみたら助けてくれなくて、娘は死にました ┐(´ー`)┌ ザンネーン」とか「透明人間、現る現る〜 ♪ (´∀`し(´∀`し ショック!」といった身もフタもないものばかりでして。それらの話に影響を受けたコナーったら、父親に「一緒に暮らしたい」と言ってみたり、暴力衝動に身を任せて祖母の大事な部屋を破壊したり、「見えっこねぇ!(`∀´) You Can't See Me!と意地悪なことを言うイジメっ子をマウントパンチで血祭りにあげたりするというね。


怪物が語る物語は、アニメで表現されたりと、なかなか凝ってました。
お話はアニメで表現


そんな中、母親は死のカウントダウンが始まっていて、コナーが「なんでママを助けてくれないんだYO!ヽ(TДT)ノ」と怪物を罵ると、「お前の真実を話すのだッ!m9`Д´) ビシッ」と逆に要求されてしまって。その真実とは、コナーは病気で苦しむ母親の姿を見るのが辛くて、すっかりウンザリしてしまって、少しだけ「もう死んじゃえばいいのに (´・ω・`)」と思っちゃってて。そんな自分に罪悪感を抱えてしまい、誰かに罰せられたかったのです(だからイジメっ子をジッと見たりしてた)。その告白を聞いた怪物は夜回り先生ライクに「いいんだよ ( ´_ゝ`)」と優しいムードであり、祖母とも本音を話し合って和解して、12時7分に母親を看取りましてね。家に帰って、祖母から母親のスケッチブックをもらうと、そこには“イチイの木の怪物”と少女の絵が描かれていたのでしたーー。


<真実=弱い自分>を自覚することで、コナーは負い目がなくなりましてね。
真実を話せ!

最後は母を看取って、成長するのでした (ノω・、) ガンバッタネー
母を看取るコナー


ギレルモ・デル・トロ監督の「パンズ・ラビリンス」は100点の映画だと思っている僕ですよ、「現実が辛くて妄想の世界に逃避する子どもの話(「でも、妄想じゃなかったのかも…?」という余韻込み)」となれば、そりゃあ大好物だし、目がもげるほどに泣かざるを得ない。つーか、自分に娘ができてから“苦しむ子ども”を見るのが本当にキツくて、ルイス・マクドゥーガルの名演もあって、もうコナーが可哀相で仕方なかったです。いや、僕自身だって、中学生になる前ぐらいまでは、「もしお母さんが死んじゃったら… (ノω・、) ドウシヨウ」と枕を涙で濡らす夜もあったワケで。当たり前だけど「子どもが親の死と向き合う」なんてのはヘビーすぎる体験だし、そんな子がいたら周囲の大人は優しく接するべきなんだよな…なんて、いたって普通の感想 (・ε・) フツー


あと、ビジュアル的に見事なシーンも多くて、この場面(怪物に追われているのではなく、むしろ「マジン、ゴー!」な感じ)とか超カッコ良かった。
怪物ゴー!


一応、メイキング動画も貼っておきますね↓ リーアム御大、可愛い… (´Д`;) ハァハァ




ただ、ちょっとだけ微妙に感じたのが、怪物と母親の関係。ラスト、病室で母親と怪物がアイコンタクトするワケですが、あの描写があると、本作の超自然現象の数々がコナーの妄想だけでは片付けられないじゃないですか。怪物のモチーフは“母親の父親(つまりコナーの祖父)”であって、霊的な“何か”を発動して孫を助けてくれた…ってことなんですかね? 苦しむ子どもにはいつだって“何らかの魔法”が作用して奇跡が起きてほしいけど、そこに親が干渉している雰囲気が漂うと、どことなく“都合が良い魔法”に見えて乗れない…って、伝わりますかね。


唐突ですが、「罰せられたい」と聞くと、「ぷりぷり県」の“でっち義兄さん”や蹴られたボーイズを連想しちゃう…というどうでも良い文章。
誰かに殴ってほしかったんだ!


本作鑑賞後、トイレに入って半べそでワイシャツのチリソースを落とす→イメージフォーラム「マダム・ベー」を鑑賞「タマフル&トップ5&生活は踊るオフ会」に行ったら、映画仲間の亮介さんが「今のところ、今年2位!ヽ(`Д´)ノ」と絶賛していて(1位は「メッセージ」だとか)。確かにCGと実写を組み合わせた美術は素晴らしいし、素敵なシーンも多いし、ストーリーも好きだし、スゲー良い映画だなぁと感動しつつも、僕はどうしても「パンズ・ラビリンス」と比較しちゃって、なんとなく80点止まりなのでした。実はまだあちらこちらで上映されていたりするのでね、ファンタジー的な作品が好きな方はチェックしてみてはいかがでしょうか。で、その後は町山智浩さんの解説(216円)を聴いて補完してみてくださいな(リーアム・ニーソンが奥さんを亡くしたことまで言及してるのはさすが!)。




J・A・バヨナ監督のデビュー作。良い映画だったけど、あんまりなオチだった記憶。



シヴォーン・ダウドとパトリック・ネスによる原作小説。少し興味あります。



良かった気がするサウンドトラック。輸入盤デジタル盤もあります。



同じ製作チームのギレルモ・デル・トロ監督作。100点の映画でございます。








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