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アメリカン・アニマルズ(ネタバレ)

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アメリカン・アニマルズ



原題:American Animals
2018/アメリカ 上映時間116分
監督・脚本:バート・レイトン
製作:デリン・シュレシンガー、キャサリン・バトラー、ディミトリ・ドガニス、メアリー・ジェーン・スカルスキー
製作総指揮:ダニエル・バトセック、デビッド・コッシ、サム・ラベンダー、レン・ブラバトニック、アビブ・ギラディ、トビー・ヒル、ピアース・ベラコット、トーリー・メッツガー、ダーレン・M・デメトレ
撮影:オーレ・ブラット・バークランド
美術:スコット・ドゥーガン
衣装:ジェニー・イーガン
編集:ニック・フェントン、クリス・ギル
音楽:アン・ニキティン
出演:エバン・ピーターズ、バリー・コーガン、ブレイク・ジェナー、ジャレッド・アブラハムソン
パンフレット:★★★★★(900円/デザインが超カッコイイ!!!!!!!!)
(あらすじ)
ケンタッキー州で退屈な大学生活を送るウォーレンとスペンサーは、くだらない日常に風穴を開け、特別な人間になりたいと焦がれていた。ある日、2人は大学図書館に保管されている時価1200万ドルを超える画集を盗み出す計画を思いつく。2人の友人で、FBIを目指す秀才エリック、すでに実業家として成功を収めていたチャズに声をかけ、4人は「レザボア・ドッグス」などの犯罪映画を参考に作戦を練る。作戦決行日、特殊メイクで老人の姿に変装した4人は図書館へと足を踏み入れ……。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




90点


※本作については、ネタバレを知らないで観た方が絶対面白いので、観てから読んで!

今週月曜日から「トラさん 僕が猫になったワケ」「ねことじいちゃん」「チワワちゃん」「ライオン・キング」「バンブルビー」「パピヨン」と続いてきた「わくわく動物タイトル映画特集」(今、思いついた安易なネーミング)も本日が最後ということで! ダラッと感想を垂れ流すのは「アメリカン・アニマルズ」でございます(そして本作が今年観た新作映画の100本目!)。本作については、愛聴しているラジオ番組「アフター6ジャンクション」からオファーを受けて、公開前に鑑賞→面白かったので、5月9日に三宅隆太監督と一緒に番組で紹介したワケですけれども(この時はネタバレせず)。実際の劇場でもちゃんと観ておきたいと思って、5月31日(金)、仕事帰りにユナイテッド・シネマ豊洲で鑑賞いたしました。「えっ、こういう映画だったの!? Σ(゚д゚;)」と思ったり。


番組出演時の画像。ピカチュウのマスクにスーツ姿なのはメインビジュアルを意識したのです(公式ホームページより)。


で、劇場にも足を運びました。スクリーン2、10人ぐらいだったような(うろ覚え)。


この日は奮発して、タピオカミルクティ&31アイスを摂取しながら鑑賞しましたよ (`∀´) オホホホホホ


ちなみにパンフはデザインがカッコイイのでオススメでございます。



何かのタイミングで予告編を観た時は「実話をベースにしたスタイリッシュなケイパームービーなんだろうな」なんて漠然としたイメージを抱いたんですが、実際に観たら全然違っていて驚いたというか。実話ベースどころか、犯罪を実行した本人やその家族、事件の被害者まで出演していて、“有名俳優たちによる再現ドラマ”と“本人たちによる証言シーン”が交錯する構成になっていて。要は“豪華かつスタイリッシュな「世界まる見え!テレビ特捜部」といった感じの作品だったんですよ。しかも、メインビジュアル&映像のカッコ良さとは裏腹に、本作の主人公である4人の大学生が犯罪を実行するシーンはすべてが上手くいかないドタバタ振りであり、「この人たちはバカだったんだな… (`Δ´;) ヌゥ」となかなかゲンナリさせられる内容だったから、さらにビックリしたのでした。


大学生のウォーレンとスペンサーが犯罪計画を思いつきまして。


図書館にあるジョン・ジェームズ・オーデュボン「アメリカの鳥類」を盗もうとするのです。


で、仲間を2人加えると、老人っぽい特殊メイクをして犯行に挑むんですが…。


結局はこんな感じなのでした(「範馬刃牙」より)。



つーか、三宅隆太監督が「何者」を引き合いに出されていて、「なるほど!Σ(゚д゚;)」と激しく同意したんですけど、確かにこの映画って「ケイパーモノ」というよりは「何者かになりたい若者たちの話」なんですよね。本作の「再現ドラマ」は「複数の視点」で描かれる点もユニークなんですが(例えば、ウォーレンが語った出来事が映像で再現される→スペンサーが「本当はこうだった」と証言すると、それも映像で見せる)、最後に明かされる「実はウォーレンが『バイヤーに会った』というのはウソだった?(最初から盗品を売りさばく気はなかった?)」というオチが象徴的であって。平凡な毎日が嫌で“何か”をしたいだけだった…という気持ちは、誰もが大なり小なりが抱えていることだし(若者なら特に!)、僕だって共感できなくもないんですが、しかし。とは言え、その手段に「犯罪」を選んじゃったのはやっぱりアホとしか言いようがないよなぁと。


実際に事件を起こした4人はこんな感じなのです。



「何者」の予告編を貼っておきますね↓




ただ、僕的に一番グッときたのはその犯罪の計画&実行シーンでしてね。いろいろな犯罪映画を引き合いに出しつつ、強奪計画を練るシーンは高揚感に満ちていて、観ている僕もつい「みんなで犯罪するのもいいカモ!(・∀・) カモ!」なんて思っちゃったりもして(アウトな文章)。老人の特殊メイクをして学校の図書館に乗り込むシーンは超ドキドキしたんですが、図書館の人がたくさんいて断念するあたりから雲行きが怪しくなるから「マジか!Σ(゚д゚)」と。で、翌日、実際に乗り込んでみれば、女性係員を拘束することすらままならないわ、逃走経路は塞がっているわ、盗み出そうとした「アメリカの鳥類」を階段に落としちゃうわ、車で仲間をはねちゃうわ、車内でゲロを吐くわと、鮮やかな“踏んだり蹴ったり”を見せてくれるというね。


犯行シーンを観ている時はこんな気持ちでした(「範馬刃牙」より)。



そりゃあ本人たちが登場して劇中で証言しているんだから「捕まる」のは分かっていたけど、まさかここまで愚かだったとは思わなかったし、その前に「理想化された強奪シーン」(優雅すぎて面白い)を見せられていた分、そのギャップに爆笑したんですが…。まぁ、現実的に考えると、なぜ僕ら一般ピープルのほとんどが犯罪をしないかといえば、とりあえず倫理観は置いとくとするなら、どんな物事にも最終的には「運が左右する部分」が確実にある→単純に「失敗した時のリスクが高すぎるから」なんですよね。なんかね、事件発覚後の再現パートのクライマックスも十分キツいんですけど(逮捕されるまでの心が壊れそうな日常描写とか)、事件の当事者たちがその顛末を語る姿もまたスゲー痛々しくて。本作は、フィクションとノンフィクションを混ぜてふっくら炊き上げることで、リアルな「犯罪の理想と現実」を見せてくれた感があった…って、伝わりますかね。


計画を立てているころが一番幸せでしたな (´・ω・`) ウーン



その他、本作の役者さんたちが素晴らしかったのはもちろんのこと(エヴァン・ピーターズはクイックシルバーのイメージが強かっただけに、本作の犯罪現場での役立たず振りが際立って愉快!)当事者たちまで役者のようなカリスマ性が感じられたのは面白かったです(つーか、スペンサーやウォーレンって、普通にイイ男ですよね)。「結局、4人は逮捕されて服役する→現在は出所して、作家を目指したり、映画製作を学んでいたり、絵を描いていたりと、地に足がついた感じの人が1人もいない」というオチも含めて、人間が持つ自意識について考えさせられたというか。人間が幸せになるには自意識とどう折り合いをつけるかがカギなのかもしれないし、そんなことないのかもしれませんな… (・ε・) ドッチダヨ まぁ、何はともあれ、僕的には「苦めの青春映画」って感じであり、観る前の予想を大きく裏切られたのも功を奏して(逆に鑑賞前のイメージと違いすぎてダメな人もいる気はしますがー)、とても楽しめました (°∀°)b ヨカッタ! まだ公開中の劇場がある&二番館などでも上映されると思うのでね、興味がある方はぜひ観てみてくださいな。




デジタル盤のサントラでございます。



三宅隆太監督が引き合いに出されていた青春映画。僕の感想はこんな感じ



事件の当事者が出演して自分自身を演じたというクリント・イーストウッド監督作。僕の感想はこんな感じ



10月25日にはソフトが発売されるそうな。








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