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GONIN サーガ(ネタバレ)

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GONIN サーガ

GONIN サーガ

2015/日本 上映時間129分
監督・脚本:石井隆
エグゼクティブプロデューサー:井上伸一郎
企画:菊池剛、加茂克也
プロデューサー:二宮直彦、阿知波孝
撮影:佐々木原保志、山本圭昭
照明:祷宮信
美術:鈴木隆之
録音:郡弘道
音楽:安川午朗
劇中歌:ちあきなおみ、森田童子
ラインプロデューサー:小橋孝裕
キャスティング:東快彦
助監督:日暮英典
制作担当:高見明夫
出演:東出昌大、桐谷健太、土屋アンナ、柄本佑、安藤政信、根津甚八、竹中直人、福島リラ、テリー伊藤、井上晴美、りりィ、松本若菜、菅田俊、井坂俊哉、鶴見辰吾、佐藤浩市
パンフレット:★★★(800円/インタビュー記事が充実。人物の相関図も良い感じ)
(あらすじ)
社会からつまはじきにされた5人組による、暴力団・五誠会系大越組襲撃事件から19年。五誠会は若き3代目の誠司(安藤政信)が勢力を拡大し、襲撃事件で殺された大越組の若頭・久松の遺児・勇人(東出昌大)は、母の安恵(井上晴美)を支えながら、真っ当な人生を歩んでいた。そんなある日、19年前の事件を追うルポライターが安恵のもとに取材に現れたことから、事件関係者たちの運命の歯車がきしみ始める。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




75点


※今回の記事は、今作が好きな方は不快になる恐れがあるので、気をつけて!
※今回の感想は、「GONIN」のネタバレに触れているので、気をつけて…って、さすがに今さらな感じですな。
※今回の記事は、「ヴィジット」のネタバレにも触れているので、未見の人は観てから読んで!


9月下旬公開で10月下旬には観たのに、いろいろと忙しくて12月にアップするという体たらくですよ…('A`) もうね、記憶がボンヤリ気味なんですが(汗)、そんな雑な感想をアップしておきますね。えーっと、僕は別に石井隆監督の大ファンということではなくて。今夏、コミケのために名古屋から上京してきたダークディグラーさんと「GONIN」の話になった時は、「確か竹中直人さん演じる父親の家族が殺されたのが凄惨で良かったですよね~ (`∀´) コワカッター」なんて言ったら、「あれは竹中直人が家族を殺したんですよ… (・ω・;) ナニイッテンノ?」なんて冷静にツッコミを入れられるほどウロ覚えだったんですけれども。

一応、「GONIN」は面白い印象が強かったし、それなりにハードなアクションを観られそうな気がしたので、前売り券を購入。なかなか足を運べなかったら、不入りのせいなのか次々と公開館が縮小されて焦りまくりながらも、10月下旬にやっと角川シネマ新宿に行けまして。本来なら1000円で観られるのに仕方なく1400円の前売り券を使って観てきました(どことなく恨みがましい文章)。まぁ、面白かったです (・∀・) ヨカッタヨー


角川シネマ新宿に観に来たんですがね…。
角川シネマ新宿でGONINサーガ

ほら、TCG会員の僕は1000円で観られたのに前売り券を買って損した! 前売り券を買って損した!(43歳の中年男性の文章)
1000円で見られたのに...

劇場ロビーには出演者のサイン入りポスターが飾ってありまして。
サイン入りポスター

DVDなども売ってましたよ、確か。
DVDなどが販売中


話を乱暴に書いておくと、久松茂(鶴見辰吾)の息子・勇人(東出昌大)と、大越康正(永島敏行)の息子・大輔(桐谷健太)、「GONIN」のクライマックスでヒットマン(ビートたけし)に射殺された警察官の息子・森澤慶一(柄本佑)、元アイドルで実は万代樹彦(佐藤浩市)の娘だった菊池麻美(土屋アンナ)の4人は、広域指定暴力団・五誠会への恨みを晴らすため、五誠会の裏金が隠してあるヤミ金事務所を襲撃→現金強奪に成功するんですが、しかし。

五誠会に雇われた探偵兼ヒットマン・明神(竹中直人)の調査により、すべてバレてしまいまして。追い詰められた4人は何とか危機を乗り切るものの、「このままじゃ死ねない」ということで、植物状態から復活した氷頭(根津甚八)を加えて心が一つになった時、光の戦士GONINサーガが誕生したーー(唐突なウソ)。ディスコ・バーズで開かれる五誠会三代目・誠司(安藤政信)の結婚披露宴に襲撃すると、ハードな銃撃戦が繰り広げられて、氷頭&万代(霊体)による親子かめはめ波ツープラトン射撃が炸裂したりした結果、全員死んで終わってました。


「GONIN」と今作で象徴的に使われるちあきなおみさんの「紅い花」を貼っておきますね↓




事前知識を何も入れていなかったので、「GONIN」からの「GONIN2」のように、過去作とは関係ない人たちが主人公か、少し世界観が共通するぐらいかと思いきや、予想以上に「GONIN」「サーガ」だったからビックリ。主人公たちは「GONIN」で殺し合った人たちの関係者&リタイア状態だった根津甚八さんが氷頭役として復帰しただけで驚いたのに、クライマックスはその氷頭も加わって5人になるのだから口がアングリ状態でしたよ。


引退宣言をしていた根津甚八さんが復帰しただけでも度肝を抜かれました。
氷頭要(根津甚八)

中央の安藤政信さんはGONINの一人ではなく、敵役なのです。
新たなGONIN


「ヌードの夜/愛は惜しみなく奪う」を観てから5年が経ち、僕もあのころよりはもう少しリテラシーが上がった&映画の好みが変わったこともあって、やっとわかってきた気がしてるんですけど(汗)、フィルム・ノワールだなぁ… (`Δ´;) ヌゥ」と。クライマックスは香港テイストというか、氷頭の復活や万代が協力しての射撃あたりはジョニー・トー監督の「ヒーロー・ネバー・ダイ」を連想したんですが、他の部分は石井隆監督印が押されている印象。僕がスゲー好きだったのは、探偵兼ヒットマンの明神が麻美を追求する場面で、ああいう言葉で追い詰めてドキドキさせるのが得意というか、他の作品でもあったよなぁって思ったり(ウロ覚え)。ちなみに「エンドクレジット直前、倒れる麻美の『ま、いっか』の台詞は『天使のはらわた 赤い眩暈』での名美の台詞」とか、石井隆監督のファンならグッとくる要素がいろいろと盛り込まれている様子(僕は全然わかりませんでした (ノ∀`) テヘ)。


竹中直人さんは、石井隆監督作とかこの手の作品に出る時はいつもイイですよね。
明神(竹中直人)


それと、これは映画を見終わった後に、ツイッターで相互フォローさせていただいているJOKERさん(5回鑑賞!)や グラビトン・ボルトさんとやりとりする中、「バーズの地下に潜伏する場面は生者から死者になっていく表現かも」なんてツイートをされてから、宇多丸師匠の批評目当てで買ったら載ってなかった「キネマ旬報」の特集を読んだりして、自分なりに強化された部分なんですけど、生者と死者の世界が繋がっている雰囲気が良かったです。クライマックス、唐突に登場して氷頭を助ける万代が白髪だったのは「死者もそのまま同じ世界で老いている」ってことだろうし…。「GONIN」で死んだリストラサラリーマン荻原の家族全員死亡シーンで印象的だったハエの音が、同じ竹中直人さん演じる明神につきまとっていたのも、一種の異世界感を醸し出していて、非常にゾクゾクいたしました。ある意味、「この空の花 長岡花火物語」などの最近の大林宣彦監督作に通ずるものを感じたんですが、よりダークで救いがなく、でも清々しい…という不思議な余韻がありましたよ(独特なタイポグラフィーのエンドクレジットで無常感が増幅する感じ)。


ちなみに「この空の花 長岡花火物語」はこんな映画…って、伝わりにくい!(°д°;) ヒィ!




あと、役者さんも素晴らしかったですねぇ…(しみじみ)。井上晴美さんや安藤政信さんあたりが良かったのは言うまでもなく、柄本佑さんとか「ヘラヘラしたバカ」みたいな役しか観たことがなかったので(微妙に失礼な文章)、今回の真面目な青年役は結構新鮮で、かなり好きになりました。ただ、ベストは麻美役の土屋アンナさん。この人のビッチ役は国宝級というか、本当に良かった! ステージに乱入して歌うシーンも、話の流れ的に相当無茶ではありますけど、堂に入っててカッコ良かったし…。あらためて良い女優さんだと感心した次第。


今作は歌ありアクションありと、土屋アンナさんの魅力が満載の映画なのです。
菊池麻美(土屋アンナ)

土屋アンナvs福島リラもなかなか良くて、特にこの冷蔵庫に挟む攻撃は…。
土屋アンナvs福島リラ

「リーサル・ウェポン2」オマージュ! 「ヴィジット」といい、人をドアに挟む時代、やっと来たようですな…(知った風な口調で)。
リーサル・ウェポン2のメル・ギブソン


とは言え、僕的には乗れないところもそこそこありまして。今どきの犯罪計画にしてはヤミ金襲撃がズサンなのは目をつむるとしても、その後の行動がまったく考えられていなくて、ちょっとイラッとしましたよ。母親を殺された勇人の描写に関してもコク不足というか、大輔と麻美との三角関係だってもう少し掘り下げるのかと思ったんですが…(時間がなかったんでしょうけど)。作中、「GONIN」の映像が挿入されるのは大好きだったし、慶一が「射殺された警官の息子だった」ことがわかった時は興奮しましたが、「麻美まで万代と血が繋がっていた」というのは、説明台詞の取って付けた感もあって結構冷めちゃいました。あと、クライマックス、すべてがバーズで終わるのは良いんですけど、襲撃を決意→披露宴までのダラダラは少しキツかったし、同じフロアで「誰か出てくる→撃ち合う」をリピートするのは、ごめんなさい、もう少し工夫してほしかったですな。


なんとなくクライマックスに流れる森田童子さんの「ラスト・ワルツ」を貼っておきますね↓




何はともあれ、作品を振り返るとなかなか変な映画というか、「これ、『GONIN』を未見の人は楽しめるのかな…? (・ω・;)」なんて疑問が浮かぶんですけど、とりあえず僕は観ていたのでかなり面白かったです (・∀・) ミテテヨカッタ! レンタルが始まったら、あらためて「GONIN」→「GONINサーガ」を続けて観たいなぁと思ったりしております。石井監督にはまたこういうバイオレンスノワールを撮ってほしいものですが、あまりヒットしなかったみたいだから厳しいのかな…。




石井隆監督による原作小説。驚くことに「GONIN」の話からスタートしているそうで、ファンには結構好評みたい。



石井隆監督作。香港ノワールっぽい映画が好きな方は観ておくと良いです。



話は繋がってない2作目。大竹しのぶさんのセーラー服姿しか覚えてない… (`Δ´;) ヌゥ



キネマ旬報の特集号。amazonの説明には「ライムスター宇多丸による「サーガ」論」って書いてあったのに… (´・ω・`)



佐々木正人監督による驚くほど関係のないヤクザ系Vシネマ。続きがあるので注意!



たぶん僕が「サーガ」という言葉を知ったのは、これがキッカケだと思います…という関係なさ過ぎる小説。



すみません、貼らせてください…。僕の感想はこんな感じ









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