※今回の記事は、「101回目のプロポーズ」が好きな人は不快になる怖れがあるので気をつけて!
<どうでも良い前置き>
観る予定がなかった映画をつい観てしまったことってありませんか? 先週水曜日のこと。仕事が忙しいながらもなんとか時間を作って、新宿シネマカリテで「モンスターズ 新種襲来」を鑑賞したんですが、これがスゲー合わなくて ('A`) ガッカリ 観終わった後、ちょっとムシャクシャしちゃったというか。本当はその後、3回目の「クリード」を観に行くつもりだったんですけど、なんて言うんですかね、もっとポップで明るい作品が観たいなぁなんて思っていたら、同劇場にこんなパネルが飾られていたのです。
あらあら、なんか愉快そうじゃないの!
「2015年12月の観たい映画の覚え書き」では「△」マークを付けたものの、あまり観るつもりはなかったんですが、今のダウナーな気持ちにはピッタリな印象。映画ファンサービスデー=1000円で観られるのも良いし、今週末で上映終了というタイミングだったのもちょうどいい気がしましてね。「まぁ、どうせポップでキッチュな映画なのだろうよ (`∀´) ヘラヘラ」「イマイチだったら、『ムシャクシャして観た。今は反省している』なんてベタなオチを書くことにしよう (`∀´) ヘラヘラ」と凄まじく舐めた気持ちでチケットを購入。続けて観てきたんですが…。
劇場には記事の切り抜きが飾られてましたよ。
お腹が空いていたので、飲食物を購入。お菓子はどちらもブルボン製でございます。
リザとキツネと恋する死者たち
原題:Liza, a rokatunder/Liza the Fox-Fairy
2014/ハンガリー 上映時間98分
監督・脚本:ウッイ・メーサーロシュ・カーロイ
脚本:バーリント・ヘゲドゥーシュ
撮影:ペーテル・サトマーリ
音楽:アンブルシュ・テビシュハージ
出演:モーニカ・バルシャイ、デビッド・サクライ、サボルチ・ベデ・ファゼカシュ、ガーボル・レビツキ、ピロシュカ・モルナール、ゾルターン・シュミエド
パンフレット:★★★★★(600円/ハンガリーについてのコラムがタメになるし、デザインは可愛いし、歌詞が載ってるのもいいし、何よりもデビッド・サクライさんにサインをもらえたので最高!ヘ(゚∀゚*)ノ ヒャッハー)
(あらすじ)
1970年代のブダペスト。リザ(モーニカ・バルシャイ)は日本大使未亡人の看護人として住み込みで働いていた。リザを癒してくれるのは、リザにだけ見ることができる幽霊の日本人歌手・トミー谷(デヴィッド・サクライ)による軽妙な歌声だけだった。そんなある日、リザの留守中に未亡人が殺され、さらに周囲で殺人事件が相次ぐ。不審に思った刑事ゾルタン(サボルチ・ベデ・ファゼカシュ)は下宿人を装って屋敷を訪れるが……。(以上、映画.comより)
予告編はこんな感じ↓
90点
超ストライクでしたYO!ヽ(TДT)ノ ウワァァァァン! もうね、あまりに良かったので、すぐiTunesでサントラを購入しちゃったし、金曜日の最終上映にはトミー谷役のデヴィッド・サクライさんの舞台挨拶があるというから、また観に行ってしまったほどだったのです。
現時点でサントラはiTunesでしか売ってないので要注意。
舞台挨拶の回、僕がチケットを買った15時ごろはまだ10席ぐらい空いてましたが、21時にはこの通り。
2回目も飲食物を購入。最近は、映画鑑賞時に劇場で食料を買う運動を継続しております。
お話を乱暴に書いておくと、舞台は1970年代のハンガリーのチュダペスト(パンフの早稲田みかさんの解説によると、ハンガリー語で「驚き」の意味の「チュダ」をブダペストにかけた親父ギャグだそうです)。30歳の内向的な女性リザの周囲で次々と人が死ぬんですけど、それは一緒に暮らしていた幽霊のトミー谷の仕業でして。彼は死神であり、リザに恋をしてしまったので、「私には九尾のキツネの呪いが憑いているんだわ (ノω・、し シニタイ」と精神的に追い込んで自殺させるため、彼女に関わる人間を殺害していたのです(リザが自殺すれば、死後の世界でずっと一緒にいられる…ということみたい)。
でも、リザの捜査をすべく家に下宿したゾルタン巡査が彼女の無実を確信するとともに恋をする→トミー谷の数々の「ファイナル・デスティネーション」攻撃にも負けずに死ななかった上に、「(死の世界に)君が残らないなら、一生ゾルタンを苦しめる!m9▽Д▽) ビシッ」と迫られたリザが「じゃあ、残るわ (´∀`し シカタナシ」と“無私の愛”を示したりしたことで、なんとなくトミー谷は敗北。リザとゾルタンが結ばれると、ラストは10年後、2人の間に出来た娘と一緒に日本旅行をしていると、今も取り憑いているトミー谷が不満そうなムードを漂わせて、終わってましたよ。
最後に流れた「イエヴァン・ポルッカ」のリズムにトミー谷が思わず乗っちゃうのも愉快でしたな。
作品的には「作り込まれていないウェス・アンダーソン監督作」って印象(雑な例え)。なんて言うんですかね、決して万人向けではないというか。主人公たち以外の人の死が凄まじく軽いし、「ゾルタンが裸で登場する」といった説明のない雑なギャグは多いし、「人はいつか死ぬからね ┐(´ー`)┌ ミンナソウサ」的なことだとしてもゾルタンの「死者3」のテロップといった後先を考えないミスリードはどうかと思うし、メックバーガーメックバーガーうるさいし、世界観も乱暴だし…(例えば、死神がどういうルールに則って活動しているのか不明すぎ)。
一番好みが分かれると思うのが、なんて素敵にジャポネスクの部分で、わざと日本文化を微妙に描いたり、カタコトの日本語を話させたり、日本語の歌を歌わせまくったりするので、そういう部分に「あざとさ」を感じる人は少なくないんじゃないかしらん。特に「Believe to the end」の「ハラキリ、アァアァ」なんてコーラスに至っては、あざとさを通り越して「汚い」レベル。正直、僕だって「実に汚い!(`Δ´;) ヌゥ」とは思ったんですけれども、だがしかし! アントニオ猪狩に「握手を誘っての不意打ち」を仕掛けられた時のマウント斗羽のように、顔には笑みが浮かんでいたーーって、わかりにくい例えだな ( ゚д゚)、 ペッ
このキュートなオープニングとか超あざとい! あまりもあざといのですが…。
「実に汚い」と語る僕はなぜか笑顔…って、どうでも良いですね、すみません(「グラップラー刃牙」より)。
基本的に僕は“間違った日本描写”が大好きでして。「リトルトウキョー殺人課」や「ライジング・サン」、「ハンテッド」
に「ウルヴァリン:SAMURAI」あたりは大好物。ただ、それらの作品は無意識の中のトンデモ描写だったワケで、今回のような“日本通の監督があえてギャグっぽくやってみた場合”はあざとすぎて受け入れられないのではないか…と思いきや、それはまったくの杞憂でしたね~。特にトミー谷のビジュアル、動き、そして歌の数々には超ハマッてしまって、彼が登場するだけでテンションが上がってしまったほどでしたよ。
胡散臭くて素敵なトミー谷。モデルであるトニー谷との共通点は眼鏡にスーツ程度。
劇中で流れまくる「ダンスダンス☆ハバグッタイム」を貼っておきますね↓
でね、急遽、上映終了となる金曜日の最後の回、「デヴィッド・サクライさんの舞台挨拶がある」というので、仕事が一段落した当日15時ごろ、ダメ元でシネマカリテに行ったら、まだチケットはあったから小躍りして大喜びですよ。しかも、上映後の挨拶なんて2秒で終わるかと思っていたら、なんと結構長めにトークをしてくれただけでなく、イベントが終わったら来場者全員のサインに応じるという神対応振り! 「なにこの好青年!Σ(゚д゚;) ヒィィ」と感動した僕は、パンフにサインをもらう際に、「My favorite movie!」と拙い英語力で思いを伝えたら、「アリガトウゴザイマス (´∀`)」とカタカナで返してくれましてね… (ノДT) ナンテイイヒト... 実はデヴィッド・サクライさんは武術を修得しており、アクション俳優として活動されているのも運命を感じたということで(電波な文章)、今後、日本で公開される彼の出演作はすべて観るつもりでございます。
観客も撮影OKというのだから太っ腹! 劇中のポーズを再現したりして、やだ素敵ー。
パンフにサインをもらいました。サクライさんがもっと有名になったら高値で…(イヤな文章)。
それと、ヒロインのリザに超感情移入しちゃいました。何度も流れる「メックバーガーが…」のナレーションは少しウザかったものの、真実の愛に餓えている内気で孤独な三十路女性という設定とか、マジで弱い。僕は、初めて彼女が出来て以降、常に付き合っている人がいないと精神が不安定になるタイプであり、昔は出会い系サイトとかで交際相手を必死に探したこともあっただけに、あの「相手は誰でもいい」という無差別振りにスゲー共感しちゃったんですよね…。あらためて、今は奥さんがいてくれてありがたいなぁとしみじみしたりもしました。
リザ役のモーニカ・バルシャイ、美人だけどモテなさそうで良いキャスティングでしたな。
ただ、僕のハートを一番ワシ掴みにしたのは、サボルチ・ベデ・ファゼカシュが演じたゾルタン巡査! なんて言うんですかね、「男とはこうあるべき」と教えられたというか。例えば、凄まじく大ヒットして韓国映画にもなった“伝説のトレンディドラマ”「101回目のプロポーズ」
にこんな有名なシーンがあるじゃないですか↓
「恋人が死ぬのが怖い」みたいなことを連呼し始めた矢吹薫(浅野温子)。
すると、それを聞いた星野達郎(武田鉄矢)は突然ダッシュ!
なんと車道に飛び出したのです。トラックが迫ってあぶなーい!
ギリギリ止まってくれて、なんとか助かりましてね。
運転手に罵声を浴びせられた後、薫に向かって「僕は死にましぇん!」。薫もなんとなく感動するのでした。
この場面、トラックの運転手に凄まじく迷惑であり、ネットがある現在なら確実に炎上案件…というのは置いとくとしても。ドラマの放送当時から僕とオレと私にあたいの間で活発な議論がなされたのは、「あれで死なないことの証明になるのか?」ということ。あれは単に運転手のブレーキングが優れていることがわかっただけで、不死であることを証明してませんよね? つーか、なんだよ、トラックの前で立ち止まるって(苦笑)。むしろトラックに向かって全力ダッシュ→はねられても大丈夫であることを見せてこそ、「僕は死にません」なんじゃないの? 片山刑事だったら、絶対にそうしたと思うんだけどなぁ…(面倒くさい文章)。
とは言え、実際にはねられたら、こんなことになる危険性大なので注意!
そこに今回のゾルタンですよ。顔面への火炎放射、コンセントからの電撃(2回)、高所からの落下による頭部打撲(2回)、サボテンによる顔面裂傷、銃撃による左手負傷、照明の落下による頸椎損傷など、何度もトミー谷の妨害に遭い、傷だらけになりつつも、愚直に耐えて、「死なない」ことでリザへの愛を証明するのです。これこそが「僕は死にません」ということではないのかと。正直、もっとダンプとかにはねられてほしかったという不満はありますけど、ゾルタンの「アンブレイカブル」振りにはストレートに感動したというか。僕も奥さんと娘のために、何よりも「死なない」ことを心掛けようと強く思ったのでした…って、具体的にどうすればいいのかはサッパリなんですが (ノ∀`) エヘヘ
裸で登場する巡査ゾルタン。ラスト、リザのために刑事への道をアッサリ捨てるあたりも男らしくて好き。
ボイラー修理中に火炎放射を浴びても「焦げました (o^-')b」程度で済むという肉体の強さが武器なのです。
鑑賞中の僕は、本部以蔵のように感心してましたよ(「グラップラー刃牙」より)。
ただ、リザのハンカチを拾った人みたいに、もっと凄まじい事故にも遭ってほしかったカナー。
ということでね、鑑賞予定がなかったのに、急遽観てみたらスゲー自分好みだったというのもうれしくて。最高の映画体験でしたヨ (´∀`) ウフフ 本当に大好きな映画になったので、Blu-rayが出たら買うと思います。万人にオススメできるとは思いませんが、予告編とか「ダンスダンス★ハバグッタイム」の動画などを観て自分に合うと思った人は、機会があったらぜひ観てくださいな。おしまい。
関連商品がないので、連想したM・ナイト・シャマラン監督作を貼っておきますよ。
間違った日本描写が満載のドルフ・ラングレン×ブランドン・リー主演作。僕の感想はこんな感じ。
vs死神ということで、DVDBOXを貼っておきますよ。
なんとなく思い出した素敵なMIXCD。「TVテーマ編」や「音頭編」
もオススメ!
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リザとキツネと恋する死者たち(ネタバレ)
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